ヤングアニマルで連載中の岡田卓也先生の『動物人間』は、人間が家畜と化した世界で繰り広げられる弱肉強食の物語。

ももこ

“命を食べる”事の意味を問う、トラウマ必死の衝撃作をお楽しみください!

『動物人間』の登場人物

主人公

妻を亡くし、娘のチカを一人で育てるシングルファーザー。

事故に遭い負傷したところを動物人間に助けられるが、無残にも食べられてしまう。

数年後に山猫のネロとして転生し、関わった動物人間への復讐を試みるものの、またもアーネストに命を奪われる事になる。

チカ

主人公の5歳の娘。

父亡き後はアーネストのペットとなり育てられるが、メイデンに喰われ命を失う。

小羊として生まれ変わり不死身の身体となる。

アーネスト

農村の村長。

人格者として村人から慕われているが、人間をより美味しく食す事を追求するサディスト。

主人公の命を二度も奪い、チカをペットとして育てた挙句メイデンに喰わせた鬼畜。

メイデン

アーネストの村にいる、動物人間を生み出す母親的存在。

タカナギ

人間を相手に最高の料理を提供するアン・パシェッタのシェフ。

家族のために料理人として最高の地位に就こうとした結果、全てを失ってしまう。

オフェリア

マーフの母親で熊の動物人間。

人肉を絶たれたせいで自我を失っていたが、最期にマーフを守るような素振りを見せる。

マーフ

牛の動物人間とオフェリア夫婦の息子として生活していた人間の男の子。

両親を失ってからは、チカと行動を共にするようになる。

リアン

番外編で登場した白熊の動物人間の男の子。

食欲旺盛で狂暴だが、中身は幼く臆病な性格。

ミーミ

元々は食肉として生産工場で育てられていたが、欠陥があるせいで研究対象となる。

無残に捨てられた後は死体を繋ぎ合わせ再生すると、同じ境遇の仲間と共に共同生活を送っている。

『動物人間』1巻~3巻までのあらすじ

『動物人間』1巻(1話~5話)のあらすじ

恐ろしい農場

一人娘のチカとドライブ中、事故に遭い意識を失った主人公。

目覚めるとそこは、動物の着ぐるみを被った者たちが暮らす不思議な村でした。

手当てを受けた主人公とチカは、重鎮たちと対面すべく大広間へ。

そこには村長である鹿のアーネストを始め、様々な動物の格好をした重鎮たちが待ち構えていました。

美味しい料理でおもてなしを受けた主人公は、村が誇る農場の見学を勧められます。

チカの要望もあり農場へと向かった主人公ですが、そこは人間が家畜のように飼育されているとんでもない場所。

村の秘密を知った主人公とチカは逃げようとしたものの、狩りの標的とされ捕まってしまいます。

余すところなく料理として変貌を遂げた主人公は、重鎮たちに食べられてしまうのでした。

主人公の復活

主人公の死から数年後、農場では当時と変わらず穏やかな時間が流れていました。

山猫のネロは家畜の飼育や管理を行う仕事に就きながらも、何故か人間を食す事に抵抗を覚えるように。

親友のダグにも言えず戸惑う中、動物人間の子供たちの農場見学時に異変が起こります。

子供たちの案内役を務めていたネロは、村長であるアーネストと対面。

そこでアーネストが人間の子供を捌くところを目撃し、かつて自分が人間だった記憶を取り戻します。

チカの事も思い出したネロは仇を討つべく、あの日食卓に居た重鎮たちを襲い復讐を遂げていくのでした。

チカの運命

最後の一人となったアーネストは、亡くなった仲間たちの脳を自宅に飾り死を悼んでいました。

ついにアーネストの屋敷に辿り着いたネロは命を奪おうとしますが、偽物の存在に惑わされ失敗してしまいます。

本物のアーネストと対面したネロが再度復讐を試みた時、背後から現れたのは娘のチカ。

娘の生存を喜びながらも、ペットと化したチカの姿に衝撃を受けます。

激高したネロはアーネストの殺害を企てますが、返り討ちに遭いまたも食される羽目に。

チカは最後の瞬間に全ての記憶を取り戻したものの連続殺人犯に仕立て上げられ、動物人間の母・メイデンに食された挙句子羊として生まれ変わって…。

ももこ

動物と人間の立場が逆転した世界で繰り広げられる衝撃の展開の数々に絶句…。

二度も食される主人公に同情してしまいましたが、子羊として生まれ変わったチカの今後が気になってしまいます。

ラストでは予想外の展開が待ち構えており、弱肉強食の世界に震え上がりました!!

『動物人間』2巻(6話~10話)のあらすじ

最高のおもてなし

動物と人間が共存し互いに喰らい合う世界で、最高の料理人として名高いタカナギは、生きの良い動物人間を使った極上の料理を提供し確固たる地位を築いていました。

ある日、タカナギの元を訪れた食産大臣のグエンツォは、動物人間の要人が天然モノの人間の料理を欲していると相談。

一度は断ったものの、どうしても最高の地位に就きたいタカナギは共に切磋琢磨していたスタッフの身体を用い人肉フルコースを振舞います。

しかし要人たちは満足せず、タカナギに全てを差し出すよう要求。

結局タカナギは最愛の息子を食された挙句、命までも失ってしまいます。

チカの能力

動物人間肉の生産工場へと移送されたチカは、仲間と共に出荷の時を待っていました。

そんなある日、チカがいる生産工場で謎の感染症が発生。

現場にいた動物人間は殺処分されますが、チカは欲深い職員によって食肉として横流しされてしまいます。

仲間と共に一度は殺害されたものの、何故かチカだけが復活し生産工場を抜け出すと、広い世界へと飛び出していきました。

新たな命

空腹に耐えかねたチカは、森の奥深くに住む牛の動物人間と出会います。

美味しい料理でもてなされたチカは束の間の休息を味わいますが、彼は女性の生乳にこだわる異常者でした。

翌朝、目を覚ましたチカは地下牢に囚われている熊の動物人間・オフェリアを発見。

チカが無残にも食い尽くされる中、牛の動物人間とその息子・マーフは地下牢へと向かっていました。

彼がマーフを保護した目的が明かされ混乱していた時、オフェリアの腹を食い破りまたもチカが誕生して…。

ももこ

生産工場で発生した感染症は、どう考えてもチカが原因では…。

最後にオフェリアがマーフを救ったのは、母の無償の愛だと信じたいですね。

これからチカとマーフがどんな関係になっていくのか気になります!

『動物人間』3巻(11話~14話)のあらすじ

旅の始まり

両親を失ったマーフと行動をするようになったチカ。

しかしどうしてもチカを受け入れられないマーフは、彼女を撲殺しようとします。

チカが不死身の身体だと知ると、離れる事を諦め行動を共にするように。

彼を傷付けるつもりはないものの、チカはいつかマーフの命が尽きた時に食べたいと明言していました。

チカが眠った隙に離れようと考えたマーフですが、彼女の危機を察し救います。

謎の動物人間を皆殺しにしたチカたちは、美味しい肉に舌鼓を打っていました。

マーフの危機

二人の間に和やかな時が流れる中、突如現れたのはこうもりの動物人間

彼は人間を食料としか見ておらず、人間の生き血を吸う事に異常な執着を見せていました。

チカの手を取りこうもりから逃げたマーフは、二人で力を合わせて相手を倒そうと提案。

力及ばずマーフは生き血を吸われ瀕死の状態となりますが、またも突然現れた白熊の動物人間・リアンに救われるのでした。

信じられない再会

リアンに抱きかかえられ、仲間たちが住む洞窟の中に案内されたチカとマーフ。

一度は食べられそうになったものの、リーダー的存在のミーミに“混ざりもの”だと見抜かれたチカは仲間と認められます。

ここにいる仲間たちは、欠陥があるせいで食肉になれず実験対象となった者ばかり。

用済みとなり捨てられたミーミは死体を繋ぎ合わせ自らの身体を再生すると、同じ境遇の仲間を助け共同生活を送っていました。

美味しいご飯を食べ皆に歓迎されたチカは、安全なこの場所で暮らしたいと思うように。

未だ意識の戻らないマーフの口元に自らの血を注ぐと、彼の回復を心から願っていました。

しかし翌朝、洞窟の外に咲く花に見とれていたチカの前に死んだはずのアーネストが現れて…。

ももこ

せっかく見つけた仲間たちとの穏やかな生活が始まるかと思いきや、アーネストの出現で信じられない展開に。

1巻で死んだはずのアーネストが蘇った事にも驚きですが、仲間たちの末路に胸が詰まりました…。

マーフの生死も気になりますし、覚醒したチカの今後も楽しみです!

『動物人間』の見どころ

人間が家畜と化した衝撃の世界観

動物が言葉を話し二足歩行する世界で、人間が食肉として生産され、無残にも食べられてしまう展開に絶句…。

まさに弱肉強食そのもので、命の大切さについて考えさせられる作品となっています。

一見共存しているように見えて動物と人間の戦いは続いていますが、どちらに軍配が上がるのかも気になります!

チカの運命

人間の女の子として生まれながら、無残にも食われ子羊の姿で蘇ったチカ。

動物人間となったチカは不死身の身体や相手を死に至らしめる能力を秘めており、まさに弱肉強食の頂点と言えるでしょう。

マーフの事はいずれ食べたいと呟きながらも、二人の関係はまるで本当の家族のよう。

今後のチカがどんな運命を辿っていくのが最大の見どころとなっています!

まとめ

事故に遭った挙句に動物人間に喰われ、山猫として蘇った主人公。

自らの命を奪った者へと復讐と遂げた主人公はまたも殺されてしまいますが、命のバトンは娘のチカへと受け継がれていきます。

ももこ

動物人間VS人間の戦いに決着が付く日はくるのでしょうか。