コミックシーモアで連載中の鳴海涼先生原作の『吹きこぼれの春』は、息子の不登校に悩むシングルマザーの“けい”が、偏屈な医者と出会い心を通わせていく物語です。

世間の厳しい視線に晒されても、息子のために強く生きてきたけい。

ももこ

恋愛から遠ざかっていたけいが、女嫌いの渚とどう愛を紡いでいくのか気になります!

『吹きこぼれの春』の登場人物

綿矢けい

高校生の頃の恋人の子を産み、一人で育てるシングルマザー。

世間の冷たい視線に晒されながらも、息子のために強くたくましく生きている。

勤務先の医院で出会った渚と関わるうちに、親密な関係になっていく。

上条渚

けいが働くタンポポ医院の院長代理。

女嫌いで適齢期になっても結婚から遠ざかっていたが、強く真っ直ぐなけいに惹かれ始める。

不登校気味の平太にとって良き理解者。

岸高志郎

平太が通う小学校に赴任してきた教師。

けいの同級生で、高校生の頃に交際していた元カレ。

年下の女性との結婚を控えているが…。

優奈

高志郎の婚約者。

若く可愛らしい純粋な女性で、けいや平太にも優しく振舞う。

綿矢平太

けいの一人息子。

敏感でクラスに馴染めず、登校できない日が続いている。

母に迷惑をかけている事を申し訳なく思いながらも、学校のやり方に疑問を抱いている。

『吹きこぼれの春』のあらすじと感想

1巻のあらすじと感想

1巻のあらすじ

高校三年生だったけいは、誰にも告げずに当時の恋人の子供を出産。

28歳になったけいは、町の小さな診療所・タンポポ医院で受付として働きながら、一人息子の平太を育てていました。

新しい恋愛をする暇もなく働き続けていたある日、療養中の院長の部屋を掃除していたけいは院長の息子・と鉢合わせしてしまいます。

驚いたけいはシャワーの水を浴びせてしまいますが、同僚が来たせいで渚と共に隠れる羽目に。

同僚たちはけいの悪口で盛り上がっており、呆れた渚は退職を勧めるような言葉をぶつけます。

しかしけいは“息子のためならなんでもやる”と発言し、平太のお迎えへと向かいました。

その頃、教師から母に頼り過ぎだと咎められた平太は、腹痛に苦しみつつ一人で下校。

そこで渚と出会った平太は大切な宝物を渡すと、このお金で手術して欲しいと懇願して…。

1巻の感想

シングルマザーとして奮闘中のけいが、偏屈な医者と出会い心を通わせていく展開に引き込まれました!

主人公のけいは未婚のシングルマザーとして後ろ指を指されながらも、仕事にも子育てにも一生懸命な女性。

お相手の渚は女嫌いだそうですが、医院の女性スタッフのように陰湿なところが嫌なのでしょうね。

けいは他の女性のように群れる事なく、息子のために懸命な姿が好印象。

二人の出会いは最悪でしたが、どのように心を通わせていくのか楽しみです!

2巻のあらすじと感想

2巻のあらすじ

出勤したけいが目にしたのは、医院のレジを漁る渚の姿。

なんとけいが知らなかっただけで、しばらくの間は渚が院長代理として赴任する事が発覚します。

外面もよく聞き上手な渚が来てからは女性患者が増え、医院は活気を取り戻していました。

そんなある日、患者の一人・は、シングルマザーとして働くけいに無神経な言葉を連発。

けいが耐える中、岸の息子・高志郎は、平太が通う小学校の教師として赴任していました。

熟練度別の算数クラスを任された岸が今後の計画を練りながら職員室を出た直後、ちょうど平太のお迎えに来たけいと遭遇して…。

2巻の感想

渚が院長代理とは驚きましたが、平太との約束を守ろうとしているのでしょう。

平太がけいの息子だと知らないものの、今後は渚との接点が増えそうで楽しみになります。

小学校に赴任した高志郎とけいは、何だか訳ありの様子。

けいと高志郎は同級生のようですし、まさか二人は過去に交際していたのでしょうか。

渚もけいの事が気になっているようですし、恋のトライアングルの行方が気になります!

3巻のあらすじと感想

3巻のあらすじ

渚に交際を申し込まれ驚きながらも、多忙を理由にお断りしたけい。

これ以上関わってはいけないと察したけいは、渚と距離を置こうと考えます。

一方、平太が不登校気味だと知った高志郎は理由を聞こうとしますが、なかなか心を開いてはくれません。

さらに高志郎はお迎えに来たけいと遭遇したものの、旧姓のままでいる理由について聞き出せずにいました。

その日の帰り道、雨に降られたけいは止むまでの間タンポポ医院で雨宿りする事に。

そこで渚と鉢合わせしたけいは、子育ての悩みについて打ち明けます。

平太と過ごす時間を確保できず悩んでいると知った渚は、院内の二階を使うよう提案。

予想外の提案にけいが大喜びしていた頃、けいがシングルマザーだと知った高志郎はある可能性について考えていて…。

3巻の感想

渚から口説かれる展開に驚きましたが、流されずに断るところがけいらしいですね!

女嫌いの渚がけいとなら付き合ってもいいと思えたのは、他の女性とは違うと気付いたからでしょうか。

しかも今後はけいが医院の二階を使う事になりましたし、渚との時間が増えそうでドキドキ…。

渚との仲が深まれば、けいの心が揺らぐ展開もあり得そうですね!

高志郎も平太の父親について心当たりがあるようですし、複雑な恋の行方が気になります!

4巻のあらすじと感想

4巻のあらすじ

入院中の父親の元へ行った渚は、お見舞いに来ていた実母と遭遇。

食事に誘われた渚ですが、痛烈な言葉をぶつけ拒絶します。

一方、算数のゆっくりクラスで授業を受けていた平太は、簡単な問題をわざわざ面倒な方法で解く事に疑問を感じていました。

その後、帰宅した平太がけいと昼食を食べながら愚痴をこぼしていると、偶然やって来た渚が同意。

初めて意見を認めてもらえた平太は喜び、興奮気味で食いついていました。

その日の帰り道、疲れ果て眠ってしまった平太をおんぶして家まで運んでくれた渚。

“母親の手料理を食べた事がない”という渚の言葉を思い出したけいは、今度家にご飯を食べに来て欲しいと誘って…。

4巻の感想

渚の両親が初めて登場しましたが、どうやら訳ありのようですね…。

母親は手料理も作れないほど忙しく働いているようですし、渚が母を毛嫌いしている事に関係があるのでしょうか。

平太は学校の勉強がつまらないと感じており、教師にも理解してもらえない事から“行きたくない”と感じている様子。

医者である渚だけは平太の気持ちも分かってくれましたし、目をキラキラさせながら会話する姿にほっこりしました♪

日頃のお礼も兼ねて渚を食事に誘ったけいですが、ここから二人が急接近する事になるのでしょうか。

5巻のあらすじと感想

5巻のあらすじ

帰宅途中に高志郎と遭遇し、平太の父親について聞かれたけい。

言葉を濁そうとしたけいですが、高志郎は自分が平太の父親だと勘付いていました。

関りを避けるために結婚前提で交際している人がいると嘘を付いたものの、けいは高志郎の安堵の表情を見逃しませんでした。

さらに友人から息子がけいと歩いているところを目撃された岸は、釘をさすために高志郎の婚約者・優奈を連れタンポポ医院へやって来ます。

若く可愛らしい優奈を見たけいは、劣等感から落ち込んでいました。

その後、同僚と男女の営みについて盛り上がったけいは、一夜の過ちを冒すなら渚もアリだと発言してしまいます。

運悪く隣室で休憩していた渚は、けいの話を聞いてしまい…。

5巻の感想

やはり平太の父親は高志郎に間違いなさそうですね!

知らなかったとはいえ、高志郎もけい一人に平太の世話を押し付けてしまった責任を感じているのでしょう。

それでも高志郎には優奈という婚約者がいますし、たとえ気持ちが残っていたとしても復縁は難しいと感じました。

爆弾発言を聞かれたせいで、けいと渚が互いに意識しだす展開に爆笑!

渚も満更ではなさそうですし、少しずつ進展していく二人の関係に読者としても嬉しくなりました!

6巻のあらすじと感想

6巻のあらすじ

高志郎と遭遇したけいは、平太も交えサッカーを満喫。

しかしその様子を優奈に目撃され、必死に誤解を解こうとします。

同級生だと説明された優奈は納得してくれ、けいも素直で優しい彼女に好印象を抱いていました。

翌日、仕事中のけいは渚に遭遇しますが、昨日の爆弾発言が蘇り避けてしまいます。

冗談だと焦りながら平太のお迎えに向かったけいは、クラスメイトから教室で給食を食べない理由を聞かれ説明。

他の人よりも敏感で教室の雰囲気が苦手な事を伝えたものの、子供たちに理解するのは難しいようでした。

その頃、小学校での検診を終えた渚は、優奈との別れを惜しむ高志郎の姿を目撃して…。

6巻の感想

優奈が純粋で素敵な女性な分、子供がいる事を隠して結婚する高志郎に怒りが湧いてしまいます。

平太の事を知らないままで結婚できていたなら幸せだったでしょうけど、知ってしまったからには説明する義務があるのでは…。

高志郎自身も葛藤しているようですし、優奈も交えた四角関係が勃発するのでしょうか。

シングルマザーというだけで心無い言葉をかけられてきたけいの事を思うと、高志郎だけが幸せになるのは納得できません。

渚もまた二人の関係に気付き始めましたし、益々複雑な恋の行方が気になってしまいます!

7巻のあらすじと感想

7巻のあらすじ

渚との微妙な関係に悩むけいに、またも追い打ちをかける出来事が発生。

いつものように息子の登校に付き添おうとしていたけいですが、平太は疲れたから行きたくないと訴えます。

一人平太を残しタンポポ医院へと向かったけいは、何事もなく登校する子供たちを眺めながら焦りを感じていました。

同時に行きつけの食堂の店主に遭遇し、体調不良に気付いたけい。

無理をしてでも店を開けようとする店主に病院に行くよう諭すと、そのままタンポポ医院へと連れ出します。

店主が渚の診察を受けていた頃、平太の成績を見ていた高志郎は昨夜の出来事を思い出していました。

渚の態度に憤りながらも、同僚から平太の通知表について聞いた高志郎は唖然。

成績が良くても評価の基準を満たしていないせいで斜線しか付けられないと知った高志郎は、けいの考えが気になって…。

7巻の感想

食堂の店主の病状は思わしくないものの、受診できた事は大きな進歩だと感じます。

また、高志郎が平太を案ずる気持ちも理解できますが、登校できていない以上、評価が付けられないのは仕方ないのでは…。

こんな時だけ父親面する高志郎に腹が立つと同時に、けいが平太の気持ちを優先して行動を起こしており感心させられました!

相変わらず飄々としている渚の考えは読めませんが、けいを本気で口説こうとしている様子。

高志郎もけいに未練があるようですし、三人の関係が益々複雑化しそうで気になります!

『吹きこぼれの春』の見どころ

シングルマザーの葛藤

誰にも明かさずに平太を産み、たった一人で子育てに奮闘するけいが理不尽な目に遭う姿に心が痛みました…。

特に同僚や岸の言葉は辛辣で、同じ女性として信じられません。

どんなに嫌な言葉を浴びせられても、弱音すら吐かず平太のために頑張るけいは素敵な女性ですね!

女手一つで子育てする事の厳しさを痛感させられる展開となっています!

複雑な三角関係の行方

シングルマザー×偏屈な医師の恋愛物語かと思いきや、平太の本当の父親まで登場し、益々気になる展開に。

二人の破局理由は分かりませんが、高志郎はまだけいに未練があるように見えますし複雑ですね…。

恋愛せずに子育てに奮闘していたけいが、渚との関りを通して素直になっていく姿も魅力的。

ももこ

けいがどちらと結ばれるのかが最も気になるポイントです!

まとめ

一人息子の不登校に悩みながら、タンポポ医院で働くシングルマザーのけい。

二度と恋愛はしないと決めていたけいですが、偏屈な院長代理の渚と元カレの高志郎との間で揺れ動きます。

ももこ

けいを巡る大人の恋の行方が気になります!